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2012年12月31日 「至高の日本ジャズ全史」 相倉久人

2012年、最後の読了本。

「至高の日本ジャズ全史」 相倉久人 (集英社新書)

これは「現場」に立ち会った者の強み。

今年、最悪の本だった「ジミー・アラキと占領の記憶」と比べると、単なる情報と、臨場感を伴った体感との差は残酷なほど。

最高の本!

しかし相倉氏と対立したジャズ評論界の長老って久保田二郎だったんだなぁ。

まあ人間的にはかなりいい加減な人だったみたいだしなぁ、ジロー先生。
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by maiuMY | 2012-12-31 23:59 | ジャズ | Comments(0)  

2012年12月30日 今年のベスト20発表!

今年も恒例のベスト20の季節。

まずは今年刊行された(昨年12月刊行を含む)本、以外の本からのベスト20。

第20位 ラヴレターのご用心 小鷹信光編

大和書房のアンソロジーはどれも良いが、代表でこの本を挙げときます。

第20位 消された一家~北九州・連続監禁殺人事件 豊田正義

読んでて楽しい本じゃない。でも、今年、似たような事件が発覚してしまった・・・・・・

第20位 人生は楽しき集い 久保田二郎

人生のエピキュリアン、ジロー先生の傑作。

第19位 聖女 戸川昌子

戸川昌子は江戸川乱歩の短編の一番の後継者だと思う、おいら。

第18位 魔窟ちゃん訪問 伊藤ガビン

素晴らしいオタク部屋の数々。おいらの部屋なんてまだまだかわいい。(って安心してちゃダメじゃん!)

第17位 誰が小沢一郎を殺すのか?~画策者なき陰謀 カレル・ヴァン・ウォルフレン

第16位 密室殺人ゲーム・マニアックス 歌野晶午

「春から夏、やがて冬」もなかなか良かったが、こちらが上。まさに人の生き死にを記号で描くミステリの究極。

第15位 連合赤軍物語 紅炎 山平重樹

「あさま山荘銃撃戦の深層(上)(下)」 大泉康雄、「レッド」 山本直樹も素晴らしかったが、1本にしぼるならこれ。右翼の作家が描く同時代の「時代に殉じた若者たち」の群像劇。

第14位 三本の緑の小瓶 D・M・ディヴァイン

ディヴァイン、やっぱりいい。

第13位 人間がいっぱい ハリイ・ハリスン

SFというより近未来ノベルかな。ミステリとしても高レベルだし、切ない恋愛物としても名作。

第12位 シネ・ブラボー3 わがトリュフォー

「トリュフォーへの手紙」は残念ながら未読。

第11位 <映画の見方>がわかる本 町山智浩

第10位 健全なる精神 呉智英

第9位  海炭市叙景 佐藤泰志

映画を観るまでしらなかった作家、恥ずかしながら。実に瑞々しい文章。繊細な感覚。今年、一番しびれた作家だ。

第8位  ハローサマー、グッドバイ マイクル・コニイ

再読だが、翻訳がより瑞々しくなった。オールタイム級のベストSF。ぜひ「バラークシを忘れない」の刊行を一刻も早く!!!

第7位  「本屋」は死なない 石橋毅史

熱い本、本当に。

第7位  疑惑の墓標 藤桂子

「黒水仙」藤雪夫/藤桂子 も推薦できる。端正にまとめられた推理小説の傑作。

第6位  歪んだ正義~特捜検察の語られざる真相 宮本雅史

重要作。本当に特捜検察は一刻も早く潰した方が良い、日本の民主主義のために。

第5位  ワセダ三畳青春記 高野秀行

青春物の傑作。ただしセピア色の回顧ではなく、現在進行形のような感覚。珍しい感じ。

第4位  普通の家族がいちばん怖い 岩村暢子

無茶苦茶怖い本。中国や北朝鮮が攻めてこなくたって、食卓から日本は崩壊しはじめている。。。。。。

第3位  シネ・ブラボー2 映画について私が知っている二、三の事柄 山田宏一

映画への愛に満ちている。

第2位  ザ・ラストバンカー 西川善文

熱血漢、西川善文の負け戦の弁。

第1位  木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか 増田俊也

これも熱い本。とにかく読んで下さい、としか言いようがない。


続いて今年、刊行された本の中から。

まずは、

第20位 三島由紀夫作品に隠された自決への道 柴田勝二

名探偵・柴田勝二の名推理。本当に当たっているかどうかは判らないが、いいじゃないの、これだけエキサイティングな推理なら。

第19位 或るろくでなしの死 平山夢明

相変わらず「純愛」の作家である、平山夢明は。

第18位 江上二郎の洞察 有栖川有栖

推理小説としてよりも青春小説として評価する。実に甘酸っぱいといおうか、切ないといおうか。

第17位 (日本人) 橘玲

今年の橘玲ではこれが一番、面白かった。

第16位 新世紀読書大全 柳下毅一郎

このボリュームに圧倒される。中身も素晴らしいが、さすがに若干、薄まってしまっている。

第15位 アフリカの百万長者 グラント・アレン

山田風太郎の「妖異金瓶梅」の先行作じゃないか、とおいらは思っています。あちらが「連作・名犯人小説」ならこちらは「連作・迷被害者小説」

第14位 襤褸の旗 松下政経塾の研究 出井康博

まあ松下政経塾なんてどうしようもないね。目立ちたがりばかりで中身は何にもない、本当に。

第13位 聴いたら危険!ジャズ入門 田中啓文

こういう本はありそうでなかった。おかげで一時期、フリージャズばかり聴く羽目に。。。。。。

第12位 新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか 上杉隆

第11位 キングを探せ 法月綸太郎

とことんまでEQを追い詰めていくと、まるでパズルみたいになってしまう陥穽に陥るが、それでもこのロジックの密度は見事。おいらの趣味では「生首に聞いてみろ」より上だと思う。

第10位 LA・ジャズ・ノワール 失われたジャズ史の真実 中山康樹

新しい発見の多い本。既存のジャズ史を塗り替えていく。 

第9位  誰がこの国を壊すのか 森達也×上杉隆

タイトルが怖い~。つまりこの本を読んでいる「お前ら」がこの国を壊している、と告発しているのだ。まるでメタミステリみたい。

第8位  ベスト・オブ・映画欠席裁判 町山智浩/柳下毅一郎

厳密には今年の新刊と言えないな。でも笑える!サイコー。

第7位  本格ミステリ鑑賞術 福井健太

これも刺激的な評論でした。近年、日本のミステリ評論は格段の進化を遂げたと思う。

第6位  オシリスの眼 R・オースティン・フリーマン

まあフリーマンはおいらの趣味ということで。一つ間違いないのは、リアリズム重視の作風で本当に古びていないということ。ほとんどシャーロック・ホームズと同時代の作家なんだよな。驚くべきことに。でいながらトンデモ系のトリックで面白い。

第5位  至高の日本ジャズ全史 相倉久人

実は読み終わったばかりでまだアップしていない。貴重な日本ジャズ史の記録。またこれも熱い本。

第4位  放送禁止歌手 山平和彦の生涯 和久井光司

地味な本ではあるが、しみじみと良い本だ。何かをなしかけてなしえなかった男への挽歌。

第3位  四百万企業が哭いている 石塚健司

新聞記者の文章と思えないくらい熱い。作者の当初の思惑から外れて主人公たちへの応援歌に変わっていく。作者自身もコントロールができなくなっていくそのスリル。これぞ本を読む醍醐味だと思う。

第2位  「マルタの鷹」講義 諏訪部浩一

この本自体が、名探偵の謎解きのスリルと知的刺激を満喫させてくれる。EQの最上作にも比すことができる。

第1位  都市と都市 チャイナ・ミエヴィル

奇想なのにリアリティがある。しかも、このセンス・オブ・ワンダーはすごい。別に宇宙や内宇宙に行かなくてもSFの醍醐味が味わえることを証明した。

今年のCDでは、ジャック・ディジョネットの「スペシャル・エディション」4枚組がベスト!後、モザイク・レーベルのチャールス・ミンガスも良かったな。

映画では、BSで観た「競輪上人行状記」がすさまじかった。まちがいなく日本映画オールタイムベスト10の上位級。今年、お亡くなりになられた小沢昭一のラストの台詞は、まるで仏様が乗り移ったようで鳥肌物だった。似た作風の今村昇平より上だわ。西村昭五郎。
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by maiuMY | 2012-12-30 21:45 | ベスト10 | Comments(0)  

2012年12月30日 「ミステリ映画の大海の中で」 小山正

本日、2冊目の読了本。

「ミステリ映画の大海の中で」 小山正 (アルファベータ)

これは労作ではあるが。。。。。。

しかし、柳下毅一郎の「新世紀読書大全」にも言えることだが、今までの既発表原稿の集大成なので、元々の発表媒体の制限等もあり、密度が薄くなってしまっている傾向がある。

前半だけなら無茶苦茶すごかったのにな・・・・・・
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by maiuMY | 2012-12-30 20:51 | 探偵小説 | Comments(0)  

2012年12月30日 「ジャズ喫茶四谷『イーグル』の100枚」 後藤雅洋

本日、1冊目の読了本。

「ジャズ喫茶四谷『イーグル』の100枚」 後藤雅洋 (集英社新書)

このブログ、2回目の登場。

少し前に古本屋で買って、自宅のトイレに置いといて、用便の際に少しづつ読んでいたもの。

再読でも不愉快な自慢は鼻についたが(要はたかが皿回しがそんなに偉いのか?ということ)それでも感心した部分もあった。

この本の100枚には、ジャック・ディジョネットの「スペシャル・エディション」は取り上げられていないのだが、別の後藤雅洋氏の本には取り上げられていたから、まったく無視されているわけでもないのだろう。

今年、再発された「スペシャル・エディション」4枚組は、おいらの今年のCDのベストの1枚(組?)なのだが、実は「スペシャル・エディション」が世に出た頃、おいらはフュージョン(当時はクロス・オーバーと言った)から移ってきたジャズ初心者だったんだが、初心者なりに「何か違うな」と感じたのだ。

このLPは「フュージョン一辺倒のジャズ界に活を入れる」みたいな捉え方が当時、されていたが、聴いたおいらは「何だ、フュージョンじゃん」と思ったのだ。

確かに今聞き直すと、「フュージョン」は言い過ぎだが、間違いなくフュージョンを通り抜けた後の音楽だと思う。

ECMのクリアな録音のせいもあるが、ソロが熱くなってくると、アンサンブルで熱が覚まされ、「決め」の多い音楽は、初心者のおいらにも「どこがコルトレーンやドルフィーのアドリブの行く先をいった演奏」なのか、と思わせられた。

何が言いたいかというと、後藤雅洋氏がウィントン・マルサリスに言う「ポスト・モダン」をおいらは「スペシャル・エディション」に感じていたのだ。(当時は「ポスト・モダン」という言葉も知らなかったが・・・)

多分、後藤氏は「スペシャル・エディション」が好きではないんだろう。

だとしたら、首尾一貫はしていると思う。
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by maiuMY | 2012-12-30 20:46 | ジャズ | Comments(0)  

2012年12月29日 「体育館の殺人」 青崎有吾

昨日の読了本。

「体育館の殺人」 青崎有吾 (東京創元社)

ふぅ~。読み終わるのに3日間かかった・・・・・・

確かに途中だれて詰まんなくなる。

鮎川賞の選考評にも言及されているように、論理に穴があり突っ込みどころ満載ではある。

キャラも立っていなくてギャグも滑り気味。

でも、意地悪な小姑の眼(綾辻行人の「十角館の殺人」で深く失望してから、新人の作品はどうしてもこの眼見てしまう)で読んでいたのだが、「傘の論理」一本で押す迫力に、正直、脱帽。

「新人の作品」という留保付ではあるが、十分、推薦できる。
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by maiuMY | 2012-12-30 08:27 | 探偵小説 | Comments(1)  

2012年12月27日 「ぶたぶた図書館」 矢崎存美

本日、2冊目の読了本。

「ぶたぶた図書館」 矢崎存美 (光文社文庫)

このところ低調だった「ぶたぶた」、久し振りの復調!

原点回帰が功を奏した感じ。

文句なしに推薦!
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by maiuMY | 2012-12-27 19:32 | ぶたぶた | Comments(0)  

2012年12月27日 「魔法の迷宮(下)」 フィリップ・ホセ・ファーマー

本日、1冊目の読了本。

「魔法の迷宮(下)」 フィリップ・ホセ・ファーマー (ハヤカワ文庫SF)

ふぅ~、やっと読了、とうとう読了、読了!

リバーワールド・シリーズ。

しかし、この最終巻、かなり、面白い。

前半が、マーク・トゥエインが主敵と対決する戦争アクション。

後半が、リチャード・バートンによる「この世界」の秘密を暴くアドヴェンチャーSF。

ここまでの数巻の詰まらなさを吹き飛ばす上出来。

全体を通して、「まずまず」でしょうか。(あんなに途中、貶したのに・・・・・・)

とにかく登場人物の過去の記述が詰まらん。

知らない人物だと、尚、詰まらん。

この巻は、さすがに最終巻なので、そういう記述が少ないのが功を奏したと思うぞ。
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by maiuMY | 2012-12-27 19:26 | SF | Comments(0)  

2012年12月25日 「うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ」 平康慶浩

本日、2冊目の読了本。

「うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ」 平康慶浩 (東洋経済新報社)

結構、面白いし、内容もある。

若い人に読んでもらいたいね。
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by maiuMY | 2012-12-25 20:06 | ルポ・ノンフィクション | Comments(0)  

2012年12月25日 「誰がこの国を壊すのか」 森達也×上杉隆

本日、1冊目の読了本。

「誰がこの国を壊すのか」 森達也×上杉隆 (ビジネス社)

森達也と上杉隆の微妙なスタンスの違いが面白い。

森達也は自分も含めてすべてに「まず懐疑的であれ」のスタンスだが、上杉隆は若干、自信満々。

でも、対談はかなり意義のある内容だ。

すごいのはタイトル。

つまり「この本を読んでいるお前ら」が犯人だ、と言っているのだ。

何かメタミステリみたい。
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by maiuMY | 2012-12-25 20:03 | ルポ・ノンフィクション | Comments(0)  

2012年12月24日 「読書の技法」 佐藤優

本日、5冊目の読了本。

「読書の技法」 佐藤優 (東洋経済新報社)

最後にすごい本に出会う。

いわゆるノウハウ本として書かれたものなんだろうが、ノウハウ本のレベルを超えて知的刺激に満ちた好本。

「大学時代に、仕送り12万円、奨学金6万8千円、アルバイト8万円なんて、なんちゅうブルジョワだ」とは思うが、そういう「嫉妬心」を超えて、引き込まれていく。

「文科系の知識ならば20~50年程度の時差は、現状を分析する場合、実はそれほど支障をもたらさない。」なんてフレーズのてんこ盛り。

推薦。
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by maiuMY | 2012-12-24 15:18 | ルポ・ノンフィクション | Comments(0)