<   2010年 01月 ( 33 )   > この月の画像一覧

 

2010年1月31日 「宇宙船ビーグル号」 A・E・ヴァン・ヴォクト

本日、2冊目の読了本。

「宇宙船ビーグル号」 A・E・ヴァン・ヴォクト (ハヤカワ文庫SF)

うわぁ~、本当に久々の再読。

初めて読んだのは、東京創元社の「宇宙船ビーグル号の冒険」であった。

「多分、再読すると古めかしくてがっかりするんだろうなぁ・・・」と思いながらの読書だったのだが、これはオールタイムSFの有力ベスト1候補の名作、と再認識。

記憶の中では、ヴォクトの長編にしては端正な印象があったのだが、改めて読み直してみると、例えば、3番目の怪物イクストルがビッグバンのもう一つ前の宇宙の覇者だったとか、ヴァン・ヴォクト節は健在である。

通して見ると、やはり1番目と3番目の怪物の話(ヴォクトのデヴュー作とデヴュー第2作)が優れているのは間違いないが、ミステリで言えばいわゆる「哀れで同情の余地のある犯人の、倒叙推理」の結構を持つそれらに対し、正攻法で描かれた2番目の怪物との死闘が、チェンジ・オブ・ペースの効果になっていることがよく判る。

「スラン」が発表当時、センセーションを巻き起こした割には、現在の目で見ると「古めかしい古典」に成ってしまっているのに対し、「ビーグル号」は古典的名作であるにも拘らず、現在の目で見ても「永遠に新しい古典」の高みに達している!

すごい!!!の一言。
[PR]

by maiuMY | 2010-01-31 22:52 | SF | Comments(0)  

2010年1月31日 「ウォーターフロントの休日」 司城志朗

本日の読了本。

「ウォーターフロントの休日」 司城志朗 (ジョイ・ノベルス)

題名からも判るように、映画「ローマの休日」の平成日本版。

すごい作品ではなく、どちらかというと小品といえるのだが、実に司城志朗らしい小説だ。

実質、司城の単独作品ではないか、とおいらが推測している司城/矢作コンビの「海から来たサムライ(サムライ・ノン・グラータ)」(もしかしたら印税の配分の関係で、このタイトルだけ矢作からもらったのかなぁ?)と同一テーマといえ、まさに同作品や「ブロードウェイの戦車」が好きな方には必読の1作と言える。

ご都合主義な部分も多いし、決して司城の代表作ではないが、丁寧に書かれていることもあり、読み終わった後、妙に心に残る佳品だ。
[PR]

by maiuMY | 2010-01-31 09:02 | 探偵小説 | Comments(0)  

2010年1月30日 「大聖堂は大騒ぎ」 エドマンド・クリスピン

本日の読了本。

「大聖堂は大騒ぎ」 エドマンド・クリスピン (国書刊行会)

今まで読んだクリスピンの中では、「お楽しみの埋葬」と並ぶ傑作。

物語としては「白鳥の歌」の方が上なんだが、ミステリーとしては上記の2作に軍配が上がる。

カーばりのオカルトっぽい彩りもかなり効果を上げているし、トリックも面白い。

ぜひ、ご一読を!
[PR]

by maiuMY | 2010-01-30 14:36 | 探偵小説 | Comments(0)  

2010年1月27日 「草軽電鉄殺人事件」 梶龍雄

本日の読了本。

「草軽電鉄殺人事件」 梶龍雄 (廣済堂文庫)

久々に読むと梶龍雄はやはり高レベル。

ここのところ読んでいたエドマンド・クリスピンと比べると、ユーモアのセンスではクリスピンの圧勝であるが、ミステリーとしての伏線の貼り方は梶龍雄が圧勝。

クリスピンが詰まらない訳ではなく、梶龍雄が英国を代表する探偵作家の諸作と比べても遜色ない傑作を連発していたことに驚異を覚える。

その割には、歴代のオールタイムベスト10なんかでも全然ランクインしていないんだよなぁ・・・・・・

この作品も、メイントリックは大方の読者が予想がつくものだが、すごいのはそのトリックではなく、その裏にあるある人物の思惑であり、それを示唆する伏線の妙である。

それとメインの謎の設定も、ありそうでない魅力的なもの。
歴史ミステリーによくある、過去の謎と現在の殺人事件が乖離したものにもならず、有機的に結びついている辺りも見事!

ベスト10の下位級の傑作。
[PR]

by maiuMY | 2010-01-28 06:48 | 梶龍雄 | Comments(0)  

2010年1月26日 「白鳥の歌」 エドマンド・クリスピン

本日の読了本。

「白鳥の歌」 エドマンド・クリスピン (国書刊行会)

エドマンド・クリスピンの未読本を読むシリーズ、第2弾。

「愛は血を流して横たわる」に比べると、ユーモアも洗練されていて、人物像も見事に描き分けられている。

謎のメインの構造も、トリックも、犯人も、容易に想像がついてしまうが、物語の豊かさがそれを補って余りある。

そうはいっても、謎の部分もまずまずの出来です。

佳作と言える。
[PR]

by maiuMY | 2010-01-26 19:50 | 探偵小説 | Comments(0)  

2010年1月24日 「本格ミステリの王国」 有栖川有栖

本日、2冊目の読了本。

「本格ミステリの王国」 有栖川有栖 (講談社)

う~ん・・・・・・

どうってことのない本ですな・・・・・・・・・・・・、詰まらん・・・・・・
[PR]

by maiuMY | 2010-01-24 22:09 | 探偵小説 | Comments(0)  

2010年1月24日 「愛は血を流して横たわる」 エドマンド・クリスピン

本日、1冊目の読了本。

「愛は血を流して横たわる」 エドマンド・クリスピン (国書刊行会)

世界探偵小説全集の中で唯一未読のまま終わっていたのが、エドマンド・クリスピン。

ハヤカワ・ミステリ文庫で読んだ「消えた玩具屋」は、ジャーヴァス・フェンが「読めない本」の題名を挙げるシーンのみ印象に残った作品。

「お楽しみの埋葬」は、ユーモア味も楽しめ、意外性もあり、物語としてもミステリとしても楽しめた。
かなりのレベルの傑作といえよう。

しかし、全体的な印象は「消えた玩具屋」の詰まらない印象が強く、どうしても読む気になれなかった。

「小説」としての完成度に重きを置く英国探偵小説が割と好きなおいらでも、駄目だった・・・

思うところがあって読みはじめたのだが、まあ、やはりそれほどでもない、という印象。

ユーモアはまずまずなのだが、ミステリーとしていかにも弱い。

同じ系列に論じられることの多いマイケル・イネスやニコラス・ブレイクに比べると弱すぎる。
[PR]

by maiuMY | 2010-01-24 22:06 | 探偵小説 | Comments(0)  

2010年1月23日 「完本 美空ひばり」 竹中労

本日の読了本。

「完本 美空ひばり」 竹中労 (ちくま文庫)

こんなのも読んでなかったの、シリーズ。

っていうか、おいらにとって初めての竹中労なのであった。

いかに、おいらの読書が偏っているかってことだなぁ、あぁ・・・

竹中労といえば、左翼崩れのアナーキスト、芸能ジャーナリストから出発した人で、何よりあの竹中英太郎画伯の息子というくらいの認識。

そんな駄目なおいらが、この本、一発でノックアウトされた!

おいらにとって、美空ひばりといえば、やはり「柔」の路線にいく前、特に少女時代のぴょんぴょん飛び跳ねながら歌い踊る「躍動感」そのものの姿である。(勿論、現役では見ていない。TVのフィルムだったと思う)

曲は覚えていないが、恐らく笠置シズ子のブギ物かジャズじゃないか、と思うが、その日本人離れしたリズム感と歌詞の表現力に感動した。

山田宏一が言うように、おいらも「なぜ美空ひばりはジャズにいかなかったのかなぁ」と残念に思う。
(そういえば昔、美空ひばりが「りんご追分」をジャズにして歌ったEPがあって再発の話を聞いたことがあったのだが、その後も再発されていないようだ。どうなったんだろうか・・・竹中労が解説を書いている「ひばりジャズを唄う」は再発されたのに)

その意味では、この本での竹中労の立場は正反対なのである。

正直、大衆に「幻想」を抱きすぎているあまり、美空ひばりを「浪曲などの庶民文化」の文脈でしか捕らえていない牽強付会さは勿論あるが、読んでいる間はそれをまったく感じさせない強烈な磁力。

大体、この本は「美空ひばり」について書かれた本のはずなのに、「おれが竹中労だ、おれが竹中労だ、おれが、おれが、おれが」の連続で、「竹中労」について書かれた本のようなのだ。(まあ、ある種の優れた本は皆、大なり小なりそうなんだが)

ここまで強烈な自意識の持ち主も、本当に少なくなったと思う。

そして美空ひばりにべったりしすぎているという初版の弱点をまったくひっくり返してみせる、朝日文庫版以降に追加された文章。

この批評家の目が、この本の完成度を更に高めている。

ハリー・ベラフォンテの前で、ひばりが「歌入り観音経」を歌い、ベラフォンテを感動させるシーンは、この本の白眉!
まさに鳥肌が立つ。

永遠の名作である。
[PR]

by maiuMY | 2010-01-23 11:12 | ルポ・ノンフィクション | Comments(0)  

2010年1月21日 「高砂コンビニ奮闘記~悪衣悪食を恥じず」 森雅裕

本日、2冊目の読了本。

「高砂コンビニ奮闘記~悪衣悪食を恥じず」 森雅裕 (成甲書房)

最後の無頼派、森雅裕の10年振りの商業出版!

何と、食うに困ってコンビニで13ヶ月働いた顛末を本にしたもの。

接客業とあって「森氏も丸くなったなぁ」という部分も多いが、それでも随所に強烈な森雅裕節を発揮。

ピーチと呼ばれたお客なんて、名前丸判りじゃん!

読者を選ぶ本ではあろうが(この本で、初めて森雅裕に触れた読者は面食らうだろう・・・)ファンなら必読の名作だと思う。

買おう!

PS.取調べ可視化法案見送りなんて、検察との裏・司法取引じゃないか!
   国民を馬鹿にするにも程がある。
   ふざけるな!小沢一郎、鳩山由紀夫!
[PR]

by maiuMY | 2010-01-22 06:48 | 森雅裕 | Comments(0)  

2010年1月21日 「地球最後の砦」 A・E・ヴァン・ヴォクト

本日、1冊目の読了本。

「地球最後の砦」 A・E・ヴァン・ヴォクト (ハヤカワSF文庫)

長編と短編、各1編づつ収録。

長編は、ヴァン・ヴォクトの悪いところが集中的に出てしまった、いかにもヴァン・ヴォクト的長編。

短編は、ヴァン・ヴォクトの良いところが集中的に出た名作で、「拠点」にも収録されていた代表作。

ただ、どちらも基本的な骨格は同じで、味付けもそれほど変わらない。

つまり、どちらも、おいらは好き!

ここら辺が、天才の難しいところで、ジャズ・プレイヤーで言えば、全盛期のソニー・ロリンズに近い。

この長編にしても、ロリンズの「アンド・コンテンポラリー・リーダーズ」のモールス信号フレーズに近い味わいであり、貶す人は貶すが、好きな人は影でこっそり褒めている、という感じ・・・(何のこっちゃ)
[PR]

by maiuMY | 2010-01-21 18:39 | SF | Comments(0)