カテゴリ:黒木曜之助( 4 )

 

2010年5月8日 「『もく星』号墜落」 黒木曜之助

昨日の読了本。

「『もく星』号墜落」 黒木曜之助 (講談社)

力作であることは間違いない。

しかし全体的に見れば、やはり失敗作なんだろう。

一読、一番印象に残るのは、この作者、「現実」と「フィクション」の境界がめちゃくちゃファジーなんだな。

ラスト近くで登場する実在の某・有名人の扱い方も「おいおい、良いのかよ。こんな使い方???」というとんでもない物で、現在なら当然許されないだろうが、この作品執筆当時だって、ここまで大胆な使い方をする作家はいなかったように思う。

この辺りが、なかなかの筆力をもちながら、際物作家っぽいレッテルを貼られた所以か。

おいらは、島田荘司の「龍臥亭事件」を初めて読んだ時の違和感を思い出した。

あれは、黒木曜之助の別名義ルポ「津山 三十人殺し」のパクリ部分がほとんど根幹を占めており、「なぜ島田荘司のような(当時)一流作家が、あまり有名でもない黒木の作品を盗むようなことをするのか」、正直、島田の作品歴から抹殺したいような作品、と思っていたのだ、おいら。

しかし、今、黒木の諸作を読んでいると、島田は黒木の作品にインスピレーションを受けた結果、あの「龍臥亭事件」は黒木へのオマージュだったのかもしれない、と思うようになってきた。

あの作品の「現実」と「フィクション」の境界の曖昧さと、それがかもし出す揺らぎというか、違和感は、まさに黒木の持ち味であるからだ。

もう一度、「龍臥亭事件」を読み返してみたくなったおいらであった。
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by maiuMY | 2010-05-09 07:41 | 黒木曜之助 | Comments(0)  

2010年5月6日 「ポルノ殺人事件」 黒木曜之助

本日の読了本。

「ポルノ殺人事件」 黒木曜之助 (桃園書房)

少しとっちらかった印象・・・

官能小説なのかハードボイルド風を狙ったのか。

基本的には、黒木曜之助らしい「情報小説」になっているのだが、ミステリとしてはいかにも弱い・・・・・・
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by maiuMY | 2010-05-06 20:54 | 黒木曜之助 | Comments(0)  

2010年5月5日 「公安スパイ事件」 黒木曜之助

本日、2冊目の読了本。

「公安スパイ事件」 黒木曜之助 (弘済出版社・こだまブック)

途中までは、「殺人犯」に比べるとイマイチと思ったが、最後に至って、プロローグが実に活きてきて素晴らしい!(それでも「殺人犯」よりは少し落ちるか)

この作者のお約束の、最後のどんでん返しのつるべ打ちはご愛嬌だが、なかなかの力作。

しばらく、黒木曜之助を読んでみようかなあ・・・
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by maiuMY | 2010-05-05 22:01 | 黒木曜之助 | Comments(0)  

2010年5月4日 「殺人犯」 黒木曜之助

いつもGWと夏休みは読書が進まない・・・・・・

いつもは家族サービスなんかで駄目なんだが、今回はマイカーが逝かれて修理中で、家でゴロゴロできるはずが、どうも読書できない。

一念発起して部屋に積んである蔵書の整理をしはじめたのが運の尽きで、連日、この作業に取り組むことに、トホホ・・・・・・・・・・・・

そんな中で、やっと読みはじめたら面白くて一気に読了したのがこの本!



(長いイントロの後、やっと)本日の読了本。

「殺人犯」 黒木曜之助 (弘済出版社・こだまブック)

こうやって打ち込んでいて気づいたのだが、「こだま」ブックって言うなんてJRと関係あんのかなぁ?

鉄道弘済会とも言うしね。

調べてみたら、やはり(株)交通新聞社の旧名で、鉄道弘済会が出資していたみたい。

これは、実に不思議な、メタフィジカルな怪作、且つ快作!

前半、3章がノンフィクション仕立て。(本当にあった事件に見えるが、おいらがネットで調べても出てこない)

最後の1章で、トンでも的にひっくり返す。

何と、乱歩の「陰獣」のように、作者自体をメタ的にトリックに使うのだが、その使い方が「ハァ~、こんなの良いのか???」という使い方。

似たような事実があり、恨みがあったのか、それとも独身だったのか、う~ん・・・・・・

不思議な味わいだが、文章も上手く、構成もしっかりしている。

前半3章が、ノンフィクションだったのかどうかが知りたい!(実に迫真の文章なんで、事実っぽいんだが)
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by maiuMY | 2010-05-04 22:45 | 黒木曜之助 | Comments(0)