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おいらとJazzと探偵小説(ミステリ)と                      You and the Jazz and the Mystery

2006年9月1日 「宿命は待つことができる」 天城一

本日の読了本。

「宿命は待つことができる」 天城一 (日本評論社)

あぁ、幻の「DESTINY CAN WAIT」を商業出版で読むことができる日がくるなんて!
夢のようです。

内容は・・・
天城作品はロジックと主題が絡み合いエッセンスだけを抽出したような短編(特に初期の)に比べると、長編は比較的読みやすいものが多いですなぁ。

それでも主題をいかに効果的に訴えかけるか、に命を賭けたような展開は相変わらずです。

この作品も一見ぶっきらぼうに謎が提示されますが、かなり緻密に構成されていることが判ります。
トリックも秀逸。(1回読んだだけでは判りにくいですが)
しかし、登場人物の「戦後」に対する叫びが、やや饒舌すぎて少し興醒めな部分はあります。

「あとがき」の、「ヒロインが日本をシンボライズしていることをご了解頂けますならば幸いといたします」との言葉には泣けました!!!

ぜひ残る長編「沈める涛」「風の時/狼の時」の出版もお願いします。
by maiuMY | 2006-09-01 22:26 | 探偵小説 | Comments(0)

ジャズと古本を愛するおいらの日々

by maiuMY