昨日、3冊目の読了本。
「ニュー・イン三十一番の謎」 オースティン・フリーマン (論創社)
最初から「変だなぁ」とは思っていたんだ。
序文にあるニュー・インの裏門のイラストを見て「何か見たことあるなぁ、ポール・アルテの新作だったっけ?」などと呑気なことを思いながら。
ジャーヴィス医師が馬車でロンドン市内をぐるぐる引き回され、怪しげな患者を診るシーンにも、まだ「ビクトリア期の英国ミステリーってこういうシチュエーション、多いよなぁ」なんておバカ丸出しであった。
患者がモルヒネ中毒を疑われ、眠らないように部屋の中を歩かせる場面で、やっと「絶対、読んだことある」って気づく。
斜視の女性が出てくるに至って確信に変わる。
あぁ、これはKindleで読んだソーンダイク物の「オリエンタリストの遺書」じゃないか!
まあ本で出たなら、本の方が良いので、買ったこと自体は後悔していないのだが、すぐ気づかなかったことに自らの「老い」を感じ、絶句しました。。。。。。
話自体はやや古めかしいが、まずまずの佳作。
ちょうど少し前にリンカーン・ライム物の最新刊を読んだところだったので、ミステリー史的に見て、リンカーン・ライムがソーンダイク博士の正統的な後継者であることが確認できました。(まあ当たり前か)