本日の読了本。
「竜のグリオールに絵を描いた男」 ルーシャス・シェパード (竹書房文庫)
参りました。
確かに法廷物かつミステリーとしても秀逸な「始祖の石」を除けば、読みやすい小説とは言えないが、もう凄すぎて分析不可能です。
とにかく「凄い」と唸ることしかできない本。
おいらはファンタジーとはあまり相性がよくないのだが、こういうのを読ませられるとファンタジーも大したものだと思う。
やはりSFというのは可能性が大きいジャンルだなぁ。
文学などというしゃらくさい言葉は使うまい。
「物語」というものの豊穣さをまざまざと見せてくれる大傑作中編集だ。
人生の残酷さ、運命の酷薄さ、すべてがつまっている必読の1冊。
当然、今年のベスト5候補作。
ちなみに表紙カバーも秀逸です。
ぜひ続編、遺作の長編も刊行してほしい。