2018年 06月 04日
2018年6月4日 「いくさの底」 古処誠二
「いくさの底」 古処誠二 (角川書店)
これはなかなか良い。
佳作ですね。
結末まで読むと犯人の動機はよく判るのだが、そこにいくまで「こんなのありか?」という不自然さが払拭できない。
最後でそれは払拭されるのだが、どうしても「不自然さ」の後味が舌に残る感じ。
エンターテインメントとしてこういうやり方は得策ではないのでは?
しかし日本人の変わらない駄目さ加減が軍隊の非情性を見事に浮かび上がらせる手腕は見事。
よく大日本帝国陸軍の例に挙げられる、銃を無くしても検査の時に他所の部隊からかっぱらってきて帳尻併せてバレバレでも不問に付されたという駄目な体質。
今も変わらんなぁ・・・・・・