2006年 06月 20日
2006年6月19日 「悪魔が来りて笛を吹く」 横溝正史
「悪魔が来りて笛を吹く」 横溝正史(角川文庫)
正史読み返しシリーズ。
もう何度よみかえしたでしょう。
それでも良いよなぁ。
少し通俗的な(怪人二十面相的な)ところもあるが、それが逆に効果的に決まっている。
しかし「宝石」に連載されていたのは意外でした。
金田一耕助は相変わらず、解決までは迷探偵振りを発揮する。
正史の唯一の欠点はここです。
初期クイーンだと、名探偵がその時点で解決に至れない理由までもが、ロジカルに考えられているのだが、正史の場合、そこがかなり甘い。
まあ他の探偵小説のマエストロたちもクイーンほどではないのは事実だが、それでもストーリーでごまかすとか、もっと自然なんだけどねぇ。