2016年 03月 21日
2016年3月21日 「猫の尻尾も借りてきて」 久米康之
「猫の尻尾も借りてきて」 久米康之 (ソノラマ文庫)
ソノラマ文庫、最大のキキメ。
幼い少女と邂逅するシーンの「恐るべきご都合主義」という大きな穴はあるものの、それ以外は比較的、破たんのない、ロジックもよく練られたタイムパラドックステーマの1作である。
傑作とまではいえないが、タイトルの意味や「合言葉」の使い方など、小道具が効いていて「愛すべき佳作」ではある。(明らかにハインラインの「夏への扉」へのオマージュで書かれた小説)
ただ云万円もの値段で見合うまでの作品とはとても思えない。
サンリオSF文庫などで有名な角田純男画伯のカバー画も秀逸!!!