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おいらとJazzと探偵小説(ミステリ)と                      You and the Jazz and the Mystery

2015年9月18日 「曲がり角の死体」 E・C・R・ロラック

本日の読了本。

「曲がり角の死体」 E・C・R・ロラック (創元推理文庫)

う~ん。

文庫で300ページの本を読み終えるのに5日掛かった。。。。。。

どうしても好きになれないロラックの既訳の中では、本作は比較的、佳作といえる内容だが、それでも読み進めるのにかなりの努力が必要だった・・・・・・

何より探偵役のマクドナルド主席警部にまったく魅力がない。

こんな慇懃無礼な奴!

しかも脅迫犯を死なせちゃうきっかけは(後からそうではないという解決があるものの)マクドナルドにも責任の半分はあると思われるのに、平気で開き直っちゃうし。

作者の言い回しやなんかも、クリスティーと比べても古臭い気がするぜ、おいら。

クリスティーの場合、外国人のポアロの眼を通すことによって「英国人」を客観視する視線を獲得しているし、マープルだってわざわざセント・メアリ・ミード村のオールド・ミスを配置することによって「英国人」をおちょくる視線を獲得している気がするのだが、ロラックは、我々アジア人が感じる「英国人の厭らしさ」の部分を「当然のこと」として肯定していて、気分が悪い。

この作品でもロマの描写に厭な感じを受ける。(まあ時代が時代だから、と言えないこともないのだが、クイーンの「Yの悲劇」の優生学的視点とか、「ローマ帽」の黒人差別を当たり前のこととする視点とかあるも、読んでいてそんなに厭な感じはしないのだ。ゲームに徹しているというのかな)

まあそうはいっても、ミステリとして優れていれば評価できるのだが、まずミステリとして詰まんないんだよな、本当に。

まさに「退屈小説の女王」の名に恥じないロラックである!!!

PS.今、自分の過去のブログを検索して、読み直していたら、ロラックの「鐘楼の蝙蝠」を「読み終えるのに4日もかかった」と怒っていた。実に進歩のないおいらである。。。。。。

by maiuMY | 2015-09-18 21:04 | 探偵小説 | Comments(0)

ジャズと古本を愛するおいらの日々

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