2010年 01月 11日
2010年1月11日 「ミスター・レディに赤い薔薇」 司城志朗
「ミスター・レディに赤い薔薇」 司城志朗 (廣済堂ブルーブックス)
「痛快パズル・ミステリー」と銘打たれているが、出来不出来はあるものの、伏線がよく効いている、まずまずのパズラー短編集。
トリックは焼き直しが多いが、それでもなかなか楽しめる。
この作者は、ハードボイルドっぽいところから出てきたにも拘らず、こういったパズラーに親しい作風も物しているため、どちらのフィールドからも無視されてきた感があるなぁ・・・
素晴らしい作家だと思うんだけど・・・
前半 行動派、後半 安楽椅子探偵というシチュエーションは、鮎川哲也の「三番館シリーズ」や、坂口安吾の「安吾捕物帖」を思い起こさせる。(おいらは、「安吾捕物帖」と似ている、と思った)
各短篇のタイトルは有名な歌のもじりだと思ったが、「口笛を吹いてくれ」と表題作だけ元歌が判らなかった・・・・・・