2009年 05月 23日
2009年5月23日 「笑う男」 ヘニング・マンケル
「笑う男」 ヘニング・マンケル (創元推理文庫)
世間では「警察小説」と思われているが、実は「ダイ・ハード」系のスーパー・アクション「冒険小説」シリーズのクルト・ヴァランダー物。
確かにマルティン・ベック物の影響は受けているが、半分くらいはハリウッドのスーパーコップ物の影響を受けている。
この第4作で(第3作は未読)大きく一皮剥けた。
何より、失意の状態から立ち直るという、ハードボイルドや冒険小説のルーティンの場面で、これほど説得力のある小説は初めてである。
助力を拒否した旧知の弁護士が殺害されたことからヴァランダーは酒びたりの逃げの姿勢から脱却する。
そのシーンの痺れること!
正直、悪役のマンガ的描写とか、疲れる部分もあるにはあるが、この立ち直りの場面だけでも買いだ!