「コルトレーンをラテンでやったら?」を実際にやらかしたのがトロンボーン奏者のコンラッド・ハーウィグ。
そもそもコルトレーンの演奏で有名な「アフロ・ブルー」はキューバ出身のコンガ奏者モンゴ・サンタマリアの曲で、まあ相性は悪くなかったりする。
しかし「ラブ・シュープリーム」や「インプレッションズ」、「インディア」だったら?
コンラッド・ハーウィグの「The Latin Side of」シリーズは、ジャズレジェンドたちの曲をラテンでやっちゃうというノリノリのジャズ・シリーズ。
各1枚がまるまる一人のジャズレジェンドに捧げられていて、中には「The Latin Side of」の名称が付いていないのもあるが、これまでに全部で9枚。
おいらは元々、フュージョンからジャズに入ってきた人間。
で、コルトレーンの前に、デイブ・バレンティンの「レジェンズ」で初めて「アフロ・ブルー」を聴いた口なので素直に面白いと思う。
今回、「My Favorite」としてアップしたのは、今まで「今月の収穫」という記事は基本的に(おいらが思う)レア物ゲットの「自慢大会」なのだが、そこまでレアでなく、でもお気に入りでヘヴィーローテーションのものを紹介したいと思って記事にしたわけ。
第一回のコンラッド・ハーウィグは、なんとラテンでコルトレーンのみならずマイルスの「カインド・オブ・ブルー」をやっちゃうという、ガチガチのジャズ原理主義者なら怒り狂うかも?という代物。
で、これが意外によく合う。
それでもさすがに「ソーホワット」のラテンって???
でもこれが違和感がない。
アレンジが実に秀逸で(たまにやり過ぎなものもあるが)、各人のソロも超絶技巧だったりして(これでライブ!というのもある。パキート・デリベラやデイブ・バレンティンが素晴らしい)聴きどころ満載なのだが、如何んせん、何枚も聴き続けていられない。
飽きが来るのである。
CD1枚くらいだとかなり興奮する。
いかにも(軟派の)ジャズ喫茶の名盤というテイストで良い。
ブツとしてはそれほど珍しくないのだが、逆に探している人が少ない分、出物も少ないかも。
「ジョー・ヘンダーソン」が一番、レアかなぁ?
良いのはやはりコルトレーンの2枚とマイルスの2枚、つまり最初の4枚。
就中、「アナザー・カインド・オブ・ブルー」が抜群であろうか。
最近の2枚がやや調子を落としつつあるのが残念。
「The Latin Side of John Coltrane」 (Astor Place) 1996年
「ANOTHER KIND OF BLUE The Latin Side of Miles Davis」 (Half Note) 2004年