本日の読了本。
「深夜の博覧会」 辻真先 (東京創元社)
最新刊「たかが殺人じゃないか」がまあまあ良かったので、前作のこの長編も図書館で借りてくる。
相変わらず戦前の名古屋の街の描写は素晴らしいが、こちらは推理小説としては動機も弱いし、トリックもやや陳腐。
総体的には佳作一歩手前くらいかな。
PS.いつ行けなくなるか判らないので、久々に映画館に行った。
ドキュメンタリー映画「きみが死んだあとで」。
おいらも十分、年寄りの仲間ではあるが、観客はそれ以上のおじいさん、おばあさんばかりでおいらが一人ダントツ若い。
ある大阪の高校の同級生、先輩たちの、「じゅっぱち」での同級生の死以後の闘争と人生を振り返る映画。
個人的には高校卒業後、現役でじゅっぱちに参加した人間と、浪人生で同級生の死を知った人間の間で気持ちのすれ違いが出てくるというあたりがとても面白かったのだが、映画は、闘争の先鋭化と内ゲバという、より一般化した悩みの方に移っていってややがっかり。
申し訳ないが、やはりおいら全共闘って好きじゃないわってのが正直な感想。
あと、残酷な言い方をすると、やはり男どもの情けなさと、女たちの地に足の着いた逞しさみたいなものを感じてしまう。
やっぱり日本男児はダメね。
三田誠広の「僕って何」は当時、ややバカにした読まれ方がされたような記憶がある(おいらも幼いながらそんな感じの読み方でした)が、何十年も経ってみると自分たちの未来を予言したかのような作家の先進性に驚くね。
そうそう大友良英の音楽はとても素晴らしかった。