2018年 02月 14日
2018年2月14日 「日本軍兵士~アジア・太平洋戦争の現実」 吉田裕
「日本軍兵士~アジア・太平洋戦争の現実」 吉田裕 (中公新書)
これはすごい本。
昨年末の刊行だが、まあ今年のベスト10に入れて良いだろうな。
ゆうにベスト5に入るだろう。
大日本帝国の兵士たちがいかにひどい環境の中で、バカげた戦いを余儀なくされ、みじめに犬死にしていったか。
それをただひたすらさまざまな記録で、淡々と叙述していく。
著者自身はほとんど意見を表明することなく、激することも慟哭することもなく、だが、それがゆえに鬼気迫る1冊になっている。
正直、日本人としては楽しく読める本ではないが、絶対に読むべき本である。
なぜかくも愚かでバカバカしい戦争を行ったのか???
巻頭に掲げられた太平洋の戦闘図を見ると、やはり愕然とせざるを得ない。
当時の日本の国力で、これだけ占領し戦線を拡げて一体どうするつもりだったのだろう?