2006年 03月 03日
2006年3月1日 「ひよこはなぜ道を渡る」 エリザベス・フェラーズ
「ひよこはなぜ道を渡る」 エリザベス・フェラーズ(創元推理文庫)
トビー&ジョージ物では、やはり翻訳第1作の「猿来たりなば」にびっくりした。
こんなに優れた作品がまだ未訳で埋もれていたのか、と。
「猿」のインパクトが強すぎたのか、その後、シリーズの翻訳が進むにつれ、まあまあの出来ではあるのだが、だんだん落ちてくる気がして、不満も感じられるようになってきた。
しかし、今回の作品は「猿」には及ばないものの、かなり良く練られている作品です。
シリーズが進むにつれ、進化していったのかな?
落ち着いたら、もう一度、1作目から読み直してみようかなぁ。
(もう「猿」以外のプロットは憶えていない・・・)
謎の作り方に関して言うと、犯人以外の人物の意図が入って、事件が複雑になっていくパターンの、かなり複雑なものが使われており、この時代としては、相当新しいことをやっていたのではないか、と思います。
まぁトビー&ジョージ物が、アントニー・バークリーのシェリンガムを彷彿とさせる設定で、そのこと自体が先進的な探偵小説である証明でしょうが。
TBさせていただきました。
これで、トビーとジョージの凸凹コンビが見納めだと思うと寂しいです。
こうゆうフェアなミステリはほんと、楽しい。
ちなみに、私は、全部読んでるくせに、「猿来たりなば」も含めてまったく内容を覚えてません。(←バカだ)
時間を見つけて、読み返そうと思ってます。