2015年 01月 26日
2015年1月25日 「連城三紀彦レジェンド」 連城三紀彦
「連城三紀彦レジェンド」 連城三紀彦 (講談社文庫)
やはり連城三紀彦はすごいなぁ。
読んだ短編がほとんど(それも多分10回以上読んでいる)。
選択はバランスが取れているが、綾辻行人の眼だけ「う~ん」という感じ。
「瓦斯灯」は初期連城短編集でもベストと言える素晴らしい短編集だが、「親愛なるエス君へ」だけが、連城にしては珍しい「完全な成功作」ではない。(失敗作とまでは言えない)
それに引き替え、伊坂幸太郎の選択眼の素晴らしさが光る。
「眼の中の現場」などという地味な佳作を引っ張ってきたかと思うと、「母の手紙」というトンデモ作を推薦するとは。
「母の手紙」はおいら初めて読んだが、確かにひっくり返った。
トンデモない短編と思いつつ涙ぐむおいら。
すごいなぁ、いかにも連城らしいこの短編に一番連城の凄味を感じた。
残りの2作は定評ある名作。
綾辻行人の場合、「批評家としての鈍さ」こそが、「作家としての強み」になっているのかもなぁ。